知里幸恵資料室

住所　旭川市錦町15丁目
ＴＥＬ　0166-51-1431

一般社団法人　旭川観光コンベンション協会

旭川市立北門中学校

知里幸恵　銀のしずく記念館

旭川の地名の由来は、アイヌ語で忠別川「チュプ・ペッ」（日・川）の意味で、「日」を「旭」に置き換えて「旭川」と意訳した。
旭川市街地から国道12号線4条通りを嵐山通りに約2.3ｋｍほど進み、緑町15丁目交差点から右に約350ｍほど。
知里幸恵は、登別市出身のアイヌ人で、6才から19才まで旭川で過ごした。
彼女が旭川で生活していた場所が、現在の北門中学校の敷地だそうで、1990（平成2）年、校舎前庭に知里幸恵文学碑が建立された。
1997（平成9）年、校内の一角に「郷土資料室」を設ける。
2007（平成19）年、「知里幸恵資料室」が整備された。

生誕地の登別では、知里幸恵記念館の建設運動が活発化し、2002（平成14）年から募金活動をはじめ、2010（平成22）年、秋「知里幸恵 銀のしずく記念館」として、開館した。
住所　登別市登別本町2丁目34-7
TEL　0143-83-5666
2008（平成20）年10月には、NHKの「その時歴史が動いた」で知里幸恵が詳細に取り上げられた。
「アイヌ神謡集」は、現在フランス語・英語・ロシア語にも翻訳されている。
旭川・チカプニ（近文）の北門中学校の校舎前庭に「知里幸恵文学碑」があり、毎年幸恵の戸籍上の誕生日である6月8日にチカプニのアイヌの人々の主催で知里幸枝生誕祭が行われている。
見学希望する場合、中学校に一度問い合わせしてほしいとのこと。


郷土資料室には、クマやフクロウの剥製・アイヌの民族衣装・楽器・黒曜石・生活用具などアイヌに関わる資料が所狭しと並んでいる。
学校にこのように充実した施設があるのは珍しいだろう。
復元された丸木舟などもあり、アイヌ文化の一端をここで垣間見ることが出来る。


知里幸恵（ちりゆきえ）とは、1903（明治36）年6月8日 - 1922（大正11）年9月18日、「アイヌ神謡集」の編訳者。
幌別郡（現・登別市）のアイヌ人のご家庭に生まれた（父・高吉、母・ナミ）。
1909（明治42）年、秋に旭川チカップニ（近文）でキリスト教の布教活動をしている金成マツ（母の姉）に祖母とともに移住。
1910（明治43）年、現在の北門中学校敷地内に新築移転する。
当時のアイヌには珍しく旭川で女学校にまで進学している。
幸恵の祖母はユーカラクル（ユーカラを謡う人の意）で、アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称。
短いものから何日もかけて語られる長いものまであり、アイヌは文字を持たないため、その価値観・道徳観・伝統文化等を子孫に継承していく上で重要なものであり口承で伝えられてきた。ユカラとも言われる。
幸恵はこのカムイユカラを身近に聞くことができる環境で育った。
幸恵の生まれた時代は、1899（明治32）年に制定した「北海道旧土人保護法」が施行。
明治政府に土地や漁業権・狩猟権など生活基盤を没収され、貧困へと追い込まれ精神的にアイヌの人々を絶望させ、アイヌ民族・伝統文化は消滅の危機に瀕し、アイヌ文化を否定されながら幼少を過ごす。
小学校では、日本語の読み書きを学ぶなど真面目な生徒だったが、日本人（軍人・開拓民）によるアイヌの人々への差別に悩んでいた。
1918（大正7）年、言語学者の金田一京助が幸恵の家を訪れる。
金田一から直接「アイヌ民族・アイヌ文化は偉大なものであり自慢でき誇りに思うべき」と諭されて、アイヌ人として独自の言語・歴史・文化・風習を持つ自信と誇りに目覚めた。
1920（大正9）年、女子職業学校を卒業。金田一から東京に出てくるよう請われていたが、心臓の悪かった彼女は金田一からノートが送られる。
このノートにアイヌ文芸・伝承などの筆記を勧められ、北海道の自宅で祖母の語る物語（カムイユカラ）をノートに記録し、アイヌ語の音（おん）はローマ字で記載し、その日本語訳を併記した。
その後、幸恵はカムイユカラをアイヌ語から日本語に翻訳する作業を始め、1922（大正11）年、東京の金田一宅に身を寄せて翻訳作業をした。
幸恵は重度の心臓病を患っていたが、病気をおして翻訳・編集作業を続けた。
「アイヌ神謡集」は、1922（大正11）年9月18日に完成したが、その日の夜心臓発作のため死去。享年19だった。
1923（大正12）年、「アイヌ神謡集」が「炉辺叢書」の1冊として出版された。

その時歴史が動いたとは、NHKで放送されていた日本の歴史情報、ドキュメンタリー番組である。
2000（平成12）年3月29日から放送開始、2009（平成21）年3月18日に終了する、放送回数は355回。

国道12号線とは、札幌市から旭川市へ至る一般国道で、総距離は156.8ｋｍ。

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